ポケモンGOのECデータ分析-楽天市場のデータ分析から見えたポケモンGO商戦の内幕

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ポケモンGOのECデータ分析-ポケモンGOを商機に結び付けろ


米国で先行公開されて大きな話題となったポケモンGo。2016年7月22日には日本でも公開され瞬く間に国内にも波及し、1週間で1400万ダウンロードを記録するなど空前の大ヒットとなった。このような突発的なトレンドは数年に一回あるかないだが、楽天市場などのEC事業者にとって「このようなトレンドをどのように生かしていくのか」という観点も重要になってくる。今回はこの突発的なトレンドを楽天市場の各店舗がどのように生かしていったのかを楽天市場のECデータを用いて分析する。

ポケモンGO関連商品の売上高推移

まずEC販売データを利用し、2016年6月~8月にかけて楽天市場内の商品名に「ポケモンGO」を含む商品をランキングで並べてみた。
ポケモン名を含む商品別ランキング(楽天)
6月~8月の3カ月間の売上高トップ20を見てみると、大部分がモバイルバッテリーだ。初動ではグッズなどの販売もほとんど伸びず、アプリの環境を整えるためのアイテムに人気が集中している。
平常月の6月と比較してリリースされた7月の売上は平均2.8倍になっており、一番上昇率が高い商品では24倍まで達していることが分かる。さらに8月は7月よりも売上が伸びており、リリースをきっかけにこれらの商品に継続的なトレンドが来ていることが読み取れる。
これら「ポケモンGO」というテキストが商品名に入っている商品の売上高を、売上高のトップ40商品まで広げて日次推移で見てみよう。
ポケモンGO関連売上上位40商品の時系列(6-8月)
7/22の公開を境に売上高が一変している。売上に変化が見られるのは翌23日。ピークは公開の3日後の7/25。売上が非常に高い状態は約10日間で収斂しているものの、それ以降も売上高は継続的に公開前の2~3倍程度で推移している。モバイルバッテリーはポケモンGOのリリースにより大きな恩恵を受けていた事が分かる。

ポケモンGO関連商品のランキングへの影響

楽天全体のランキングにも大きな影響を及ぼしているようだ。1位~3位商品の総合ランキング、カテゴリランキングの日次での推移を確認してみよう。
ポケモンGO関連売上上位3商品のランキング推移
商品別の楽天全体のランキングでも、上位3商品はリリース直後に顔を出し、特に1位の商品は全体ランキングでも7/25・26に1位を、2位の商品は全体ランキングでも7/30に2位を獲得するなどすごい勢いだった事が読み取れる。それ以外の商品についてもサブカテゴリランキングの上位に一気に顔を出すなど、楽天市場にかなりの影響を及ぼしている事がデータ分析から分かる。一方、上記の図でランキングが急落している部分は他のデータなどから推測するに一時的に在庫切れに陥った様子であった。

ポケモンGO関連商品を取り扱う店舗全体への影響

次に、それらの商品を取り扱う店舗における全体の売上高推移を見てみよう。
ポケモンGO関連商品を取り扱う売上上位店舗の時系列(6-8月)
店舗全体の売上にも大きく貢献していることが分かる。特に上位商品を取り扱う店舗での影響は大きく、ポケモンGOがリリースされる前週とリリース後の週では上記6店舗平均で2.3倍に伸びており、一番影響が大きい店舗では9.5倍にもなっている。あまり変化が見られない8位の商品は商材がスニーカーのため、店舗全体への影響は限定的だったようだが、スニーカーの商品名に商魂たくましく「ポケモンGO」を入れるあたりすばらしい対応力ともいえる。

楽天市場の各店舗はこのトレンドをどのように生かしたのか

今回の大きなトレンドだが、リリース数日前にはポケモンGOが日本でもリリースされそうな報道は始まっていたのである程度の時期は読めていたように思う。しかし、モバイルバッテリーが初動から凄まじい勢いで売上をとばす事を予想できたEC事業者はどの程度いただろうか。
今回のトレンドとトレンドへの対応を考察すると、大きく3つのことが見えてくる。
第一に、トレンドにアンテナを張ると同時にどのような商品にトレンドが来るのかをデータを用いて事前に分析し、予想をすることが極めて重要だということだ。手間ではあるが、これらのデータ分析をするだけで勝率はあがるであろう。
また、トレンドにうまく乗る事ができれば大きな売上を得ることが可能だが、在庫の確保が重要となるためいかにどの商品がヒットするかを事前に見極め、できる限り在庫を確保するという作業が必要となる。
実際にトレンドに乗った後は、商品名やクリエイティブの修正を短いサイクルで行い、反応を見ていくというのが王道となるようだ。このような新しいトレンドに関してどのようなキーワードへの対策が効果的かを短期間に検証しきる事も効果的に売上を上げていく近道となるようだ。
今回で特集したような大きなトレンド以外にも、小さなトレンドであれば年に数回は発生しているはずだ。様々な市場内でのトレンドに対して、これらのECデータを参考に対策を行っていきたいところだ。

この分析に用いたデータについて

この記事は株式会社アドウェイズ(以下アドウェイズ)・ADWAYS TECHNOLOGY LIMITED(以下アドウェイズテクノロジー)が提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値はすべて「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方はこちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等はアドウェイズ・アドウェイズテクノロジーが保有しております。
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