中国越境EC市場規模分析-天猫国際(Tmall国際)化粧品市場編

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中国越境EC市場分析-化粧品編

勃興する中国越境EC市場

越境ECとは、電子商取引(EC)を通じた海外への商品販売の事である。米国、中国、欧州など様々な国への取引が近年注目を集めているが、今回は「爆買い」などで注目を集める中国国内の消費者を対象とした中国越境ECの現状を分析する。
前述した中国越境ECで、最も流通総額が大きいのが天猫国際(Tmall国際)だ。天猫国際(Tmall国際)は、アリババグループが運営する世界最大のBtoCモールであるTmallの越境EC専用チャネル。この中で日本商品の人気が比較的高いと言われている化粧品カテゴリについて、実際にどのような商品に人気があるのかをECデータを用いて分析していく。

越境ECの市場規模

経済産業省が発表しているBtoC-ECの推計データによると以下のとおりだ。
* 日本の消費者が米国の商品を越境EC経由で購入する額:2019億円(2015年)
* 日本の消費者が中国の商品を越境EC経由で購入する額:210億円(2015年)
* 米国の消費者が日本の商品を越境EC経由で購入する額:5381億円(2015年)
* 米国の消費者が中国の商品を越境EC経由で購入する額:3656億円(2015年)
* 中国の消費者が日本の商品を越境EC経由で購入する額:7956億円(2015年)
* 中国の消費者が米国の商品を越境EC経由で購入する額:8442億円(2015年)

中国越境ECの化粧品ジャンル市場規模

まずは天猫国際(Tmall国際)における化粧品ジャンルの市場規模を見ていこう。
天猫国際(Tmall国際)海外商品と日本商品の月次推移(化粧品ジャンル)
天猫国際(Tmall国際)における化粧品ジャンルの売上のうち、日本商品のシェアは約25%に過ぎないが、前年比で見ると市場規模は約2〜3倍と急拡大している。月別に見るとやはりシングルデー(W11)のある11月の売上高が突出している。シングルデー(W11)を含む11月から1月までが1年間でもっとも売上を叩き出す時期となっている。

シングルデー(独身の日)とは

シングルデー(独身の日)とは、2009年よりアリババグループが仕掛けた中国EC最大のシーズン商戦イベントで、毎年11月11日にアリババグループの運営する中国最大のBotCショッピングモールTmallにおいて行われる。2016年のデータは無料でこちらから閲覧可能だ。

中国越境EC化粧品サブカテゴリにおける売上推移

天猫国際(Tmall国際)の化粧品サブカテゴリ日本商品の月次売上推移
日本商品の売上で見ると、ローション・トナー、フェイシャルマスク、クレンジング、日焼け止め、洗顔などのサブカテゴリが上位に並んでいる。特にローション・トナー、フェイシャルマスクは昨年と比較して大きく伸びていることが分かる。2015年8月から2016年7月までの1年間で見ると、日本越境の中での売上割合は高い順にローション/トナーは13.9%、フェイシャルマスク/パックは12.9%、クレンジングは11.1%、日焼け止めは10.1%などとなっている。
天猫国際(Tmall国際)化粧品サブカテゴリ海外商品全体の月次売上推移
海外商品全体で見てもフェイシャルマスクは最も売れているサブカテゴリのようだが、乳液/クリームやフェイシャルケアセットのサブカテゴリは日本商品ではあまり売れていないようだ。2015年8月から2016年7月までの1年間で見ると、海外商品全体の中での売上割合は高い順にフェイシャルマスク/パックは24.8%、フェイシャルケアは12.7%、乳液/クリームは12.5%、ローション/トナーは7.8%などとなっており、上位3サブカテゴリが大きなシェアを占めていることがわかる。

中国越境EC化粧品サブカテゴリの商品販売動向

続いては各サブカテゴリの売れ行きの良い商品を見ていこう。
まずは日本商品で最も売れているローション・トナーの商品別のランキングを見てみよう。
天猫国際(Tmall国際)ローション・トナーサブカテゴリにおける日本商品2016年上半期人気商品ランキング
アルビオン、ドクターシーラボなどのブランドと共に、無印良品、菊正宗と言ったブランドも目に入ってくる。日本でも名のしれた商品でも今回ランク外となっているものも多い。インバウンドにおける購買行動を分析しても有名な商品ほど売れるという事実は無く、各社はマーケティング活動に力を入れることでシェアの拡大(もちろん困難な道ではあるが)も可能なはずだ。
次に天猫国際(Tmall国際)の化粧品サブカテゴリで一番売れているフェイシャルマスク・パックの商品別ランキングを見てみよう。
天猫国際(Tmall国際)フェイシャルマスク・バックサブカテゴリにおける2016年上半期人気商品ランキング
韓国の商品が上位15商品のうち10商品を占めており、このサブカテゴリにおいてはかなりの影響力があることが分かる。
最後に、日本の商品はあまり売れていないものの、天猫国際(Tmall国際 )で売れている乳液/クリーム、フェイシャルケアセットの詳細を見ていこう。
天猫国際(Tmall国際)の乳液・クリームサブカテゴリ2016年上半期人気商品ランキング
このサブカテゴリでは、オーストラリアの商品がトップであり、タイやアメリカの商品も目に入ってくる。しかしながら韓国商品の強さがここでも際立っている。日本の商品もCUREL、LOSHIなどがランクインしている。
天猫国際フェイシャルケアセットサブカテゴリ2016年上半期人気商品ランキング
フェイシャルケアのサブカテゴリも上位15商品のうち12商品が韓国商品が占めており、韓国が圧倒していることがわかる。

中国越境ECで立ちはだかる韓国勢をどう攻略するか

中国国内において海外から商品を購入することが市場において浸透してきており、ここ1年で見ても化粧品カテゴリの天猫国際(Tmall国際)での売上高はかなり伸びている。ローション・トナーサブカテゴリ(≒化粧水)は日本商品の人気が高い数少ないカテゴリと分析でき、他のサブカテゴリでは韓国商品が市場を席巻している。ローション・トナーサブカテゴリを見ても日本商品は日本国内で人気のある商品と異なる商品が上位に並んでいる。このようなことから考えても、中国国内の消費者がどのような商品や訴求ポイントに魅力を感じているかをECデータを用いて分析し、商品開発を行うなど、企画段階から中国市場を意識していく事が、越境EC攻略の第一歩となるだろう。

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この分析に用いたデータについて

この記事は株式会社アドウェイズ(以下アドウェイズ)・ADWAYS TECHNOLOGY LIMITED(以下アドウェイズテクノロジー)が提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値は「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方はこちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等はアドウェイズ・アドウェイズテクノロジーが保有しております。
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