中国越境EC市場分析-中国EC最大のイベント、独身の日(シングルデー)をデータから徹底解剖

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2014・2015年のシングルデー分析

中国最大のBtoCショッピングモールである天猫(Tmall)は、年に一度「独身の日」(11月11日)に、シングルデーと呼ばれる最大のセールを行う。2014年は約571億元(約1兆530億円)、2015年は約917億元(約1兆7,380億円)と、それぞれの売上規模を発表している。トラベル等を含む楽天市場の2015年における流通総額が2兆6,748億円、たった1日で楽天市場1年間の流通総額の約65%をたたき出してしまったことになる。
今回は天猫(Tmall)の越境EC専用チャネルである天猫国際(Tmall国際)の過去2年間(2014年・2015年)のデータから、特に日本商品(天猫国際の日本商品に絞って分析)にポイントを絞り、独身の日(シングルデー)の流通規模とトレンドを分析する。

2014年・2015年における独身の日(シングルデー)の天猫国際(Tmall国際)売上推移

独身の日(シングルデー)が開催される11月第3週を中心に、天猫国際(Tmall国際)の全体売上推移 を見ていこう。
W11前後週の天猫国際(Tmall国際)全体の売上高推移
2015年の独身の日(シングルデー)期間(11月第3週)の売り上げは、前年の2014年と比較して2.9倍になっている。独身の日(シングルデー)は1年で格段に知名度を上げ、浸透しているようだ。
また週単位で見ていくと、前週(11月第2週目)と比較した場合、独身の日(シングルデー)当週は両年とも売り上げが15倍になっておりその伸びは強烈だ。独身の日(シングルデー)は通常の4ヵ月分に匹敵する売上を1週間で作っていることになる。
続いて商品カテゴリ別で見ていこう。
W11前後週のTmall国際カテゴリ別売上高推移
2015年独身の日(シングルデー)期間中(11月第3週)のカテゴリ別売上、上位を見てみると「マタニティ/ベビー」「美容関連」「食品/健康」「家庭用品」「デジタル製品/家電」となっており、2014年・2015年ともに順位に変動はなかった。またカテゴリ別全体で見ても「自動車部品」と「暮らしとサービス 」の順位が入れ替わっている以外に変動はなかった。独身の日(シングルデー)では2年間、人気の商品カテゴリに大きな変化はないことが読み取れる。
次に2014年と2015年の独身の日(シングルデー)期間中(11月第3週)におけるカテゴリ別の売上増加率を見ていこう。
2014年と比較して、2015年は売上増加率が高いカテゴリほど人気が増したことになる。
w11カテゴリ別の2014年から2015年の売上増加率トップ5
ランキング上位に来ているのは「自動車部品」「スポーツ/アウトドア」。
売上高がそれほど大きくないカテゴリだが、この1年で消費者が人気カテゴリ以外の商品にも目を向け始めている兆候だ。
また、3.4倍の伸びを見せている売上高ランキング2位の「美容関連」は、この1年でカテゴリ別ランキングトップの「マタニティ/ベビー」に迫る勢いを見せている。多くのカテゴリが売り上げを伸ばしている一方で、「暮らしとサービス」のみ売上を落としているようだ。
次に2014年と2015年の11月第2週から第3週独身の日(シングルデー)期間を含む)におけるカテゴリ別の売上増加率トップ5を見ていこう。この増加率が高いほど、平常週と比較して独身の日(シングルデー)期間に急激に人気が上がっていることを示している
カテゴリ別の11月第2週と3週(シングルデー(W11)の当週)の売上増加率トップ5
11月第2週から3週独身の日(シングルデー)期間を含む)にかけてのカテゴリ別の伸び率を比較すると、両年とも「家庭用品」の伸び率は2週目と比べて50倍を越えており、人気の高さを維持していることが伺える。その他にも「美容関連」、「食品/健康」といった売上額上位のカテゴリがランクインしており、これは消耗品の人気の高さを表している。それらの消耗品が人気を博している中で注目すべきは2015年の「デジタル製品/家電」である。
「デジタル製品/家電」は前週と比較すると売上が141倍になっており、2015年ランキングの1位に躍り出ている。「デジタル製品/家電」カテゴリは消耗品ではなく、比較的高価な商品が多いだろう。消費者の中で独身の日(シングルデー)を消耗品だけでなくこのような高価な製品も買うタイミングを合わせようという心理が働きだしているようだ。

天猫国際(Tmall国際)人気商品トップ20~年間と独身の日(シングルデー)期間の比較~

次に独身の日(シングルデー)期間(前後週含む4週間)と通常期で、人気の商品がどの程度異なっているのかを見ていきたい。天猫国際(Tmall国際)の年間人気商品トップ20と、独身の日(シングルデー)期間人気商品トップ20を比較した。
シングルデー(W11)2014年の人気商品比較
それぞれの年の年間と独身の日(シングルデー)期間ランキングを比較する。まず2014年を見ていきたい。年間ランキングと比べてカテゴリの一つである「マタニティ/ベビー」に属する商品が多くなっていることがわかる。特に花王の赤ちゃん用品ブランドである「メリーズ」の商品の人気は高いといえるだろう。また、白い恋人といった日本の代表的なお土産品がランクインしていることも興味深い。
シングルデー(W11)2015年の人気商品比較
2015年を見ていくと、お菓子メーカーである「カルビー」が新しくランクインしている。独身の日(シングルデー)期間では「KOSE」、「SK-Ⅱ」、「資生堂」といったような企業が新しくランクインし、花王以外のメーカーも中国で認知を高めてきていることが読み取れる。

天猫国際(Tmall 国際)の年間売上における独身の日(シングルデー)の占める割合

次に独身の日(シングルデー)期間(11月第3週)の売上が年間売上にどの程度の影響を及ぼしているのかを見てみよう。2014年から2015年にかけて天猫国際(Tmall国際)では売上高が3.2倍伸びている。一方で独身の日(シングルデー)期間に限定してみるとその伸びは約2.8倍にとどまっており、年間の伸びよりは少なくなっているようだ。
天猫国際(Tmall国際)におけるシングルデー(W11)期間が占める売上高の年間割合
2014年の独身の日(シングルデー)期間(11月第3週)の売り上げが年間売り上げに占める割合は6.1%であり、2015年は5.2%である。独身の日(シングルデー)自体の売上は増えているものの、独身の日(シングルデー)期間の占める割合は少し減ってきていることが分かる。

独身の日(シングルデー)の天猫国際(Tmall国際)において、そして中国EC業界にとっての重要度

独身の日(シングルデー)はこの1年、天猫(Tmall)、及び天猫国際(Tmall国際)にとって一層大きなウェイトを占めるイベントになってきており、中国EC市場の急拡大を象徴している。
10月21日からは、マツモトキヨシLOHACO爽快などで独身の日(シングルデー)の予約イベントが始まっている。
ECDataLabでは、2016年の独身の日(シングルデー)の結果を速報として12月にお届けする予定でいる。

14203075_1792416087641601_762996127_o

この分析に用いたデータについて

この記事は株式会社アドウェイズ(以下アドウェイズ)・ADWAYS TECHNOLOGY LIMITED(以下アドウェイズテクノロジー)が提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値はすべて「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方はこちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等はアドウェイズ・アドウェイズテクノロジーが保有しております。
powered by nint