中国越境EC市場分析-上海駐在員が注目する爆買い予備群の商品

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中国駐在員シリーズ/爆買い予備軍を徹底分析

爆買いは本当に終わったのか?

2016年4月から始まった中国での輸入関税大幅引き上げをきっかけに、中国人観光客の爆買いバブルが終わりを迎えたと言われている。そしてそれを裏付けるかのように日本国内最大規模の免税店であるラオックスが第二四半期決算での営業・経常利益を90%以上減らし(※1)、また大手百貨店の2016年6月売上高の前年増減率がマイナスに転じる(※2)など、爆買いを頼りにしていたビジネスは至るところで大きな影響を受けている。
 しかし爆買い終焉=訪日中国人の減少かというとそうではなく、中国人観光客は依然増加していることが日本政府観光局(JNTO)のデータからも明らかだ。
訪日客数の比較

 この他にも、今まで爆買い対象となっていた高価な宝石や家電などの売上は落ち込んだとはいえ、化粧品などのカテゴリは未だに根強い人気だというのが、日本百貨店協会のレポート(※3)を見てもわかる。
インバウンド需要
 こうした背景を受けて、今回は現在も爆買い対象として勢いのある美容関連のカテゴリを中心に、中国越境ECでどの日本ブランドが人気なのか、そして今後爆買い予備群としてチェックしておきたい商品をご紹介したい。

中国越境ECで人気の美容関連ブランド

天猫国際、淘宝網、京東の化粧品関連ブランドシェア
 まずは2016年7月から9月の月別売上のカテゴリシェアを見てみる。美容関連のカテゴリを大きく4つに分け、「スキンケア/ボディゲア」、「メイク/香水/美容メイクアップツール」、「パーソナルケア/健康/マッサージ機器」、「ヘアケア/ウィッグ」と分類しデータ集計がされており、爆買い継続中の化粧品類が多く分類されている上位2つのカテゴリが売上シェアを占めていることがわかる。

 次は2016年9月に各カテゴリで売上の高かった日本ブランドをそれぞれTOP5(淘宝国際、天猫国際、京東国際の日本商品美容関連カテゴリ別シェア)までご紹介したい。
中国ECモールカテゴリで人気が高かった日本ブランド
 中国で最も人気の日本ブランドは、3カテゴリで売上1位の資生堂。また「メイク/香水/美容メイクアップツール」カテゴリで5位には、化粧品コットンが大人気のユニ・チャームがランクインしており、化粧品以外にも中国人ユーザーの購入項目が広がっていることがわかる。次に「パーソナルケア/健康/マッサージ機器」カテゴリでは、リファカラットという顔や全身をマッサージする機器を主軸として展開するブランドのReFaがパナソニックや日立、オムロンなどをおさえて1位となっている。そして「ヘアケア/ウィッグ」カテゴリでは、馬油のシャンプーで知られている熊野油脂や利尻カラーシャンプーという白髪染めのブランドの利尻昆布も上位入りしている。
 こうしたデータから、中国から越境で多く購入されている美容関連商品は、①日本でも高級な部類に属するもの②自然成分を用いて作られた健康指向のもの、という特徴を備えていると言えそうだ。

 それでは次に、美容カテゴリで大きな売上はないものの中国市場でじわじわと注目されている日本ブランド3商品をご紹介したい。

爆買い予備群の3商品

MINON (ミノン)
http://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_minon/
MINON

SANA (サナ)
http://www.sana.jp/index.htm
SANA

utena (ウテナ)
http://www.utena.co.jp/
utena

それぞれ美容関連4カテゴリの日本ブランド上位5商品にはランクインしていないものの、デパートやドラッグストアではじわじわと、あるいは既に爆買い対象アイテムとして、中国人観光客が大量購入をしている可能性も高い。
特にウテナは、昨年よりフェイシャルマスク・パックのジャンルで常に人気が高いブランドだが、今年9月に天猫国際に旗艦店を出店し、新商品も含め順調に売り上げを伸ばしており、今後の展開が期待されている。
今後こうした商品を店舗の店頭やECショップの入口商品として配置することで、中国人観光客や中国越境ECのリピーターである中国人ネット消費者にアプローチすることも戦略の1つとして考えてみてはどうだろうか。

越境ECのリアルに迫る上海駐在員シリーズは定期的にお届けしていく予定です。

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外部サイト関連記事

(※1)・読み違えたラオックス “爆買い”バブルから脱却できるか?業績予想を下方修正 | マイナビニュース
http://news.mynavi.jp/articles/2016/08/19/laox/

(※2)・爆買いが突然消滅…全大手百貨店、連続売上増天国が逆回転で連続売上減地獄突入 | ビジネスジャーナル
http://biz-journal.jp/2016/07/post_16056.html

(※3)・日本百貨店協会のレポート
http://www.depart.or.jp/

・2016年9月推計値(PDF) | 日本政府観光局(JNTO)
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/data_info_listing/pdf/161019monthly.pdf

この分析に用いたデータについて

この記事は株式会社アドウェイズ(以下アドウェイズ)・ADWAYS TECHNOLOGY LIMITED(以下アドウェイズテクノロジー)が提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値はすべて「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方はこちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等はアドウェイズ・アドウェイズテクノロジーが保有しております。またこの記事の執筆にあたり参考とした各サイトのクリエイティブなどは該当する各団体が権利を保有しております。
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