おせちのEC市場調査分析-2015年のデータ分析から見えた攻略ポイント

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日本人の正月の食卓を彩る「おせち」。おせちの通販といえば、2011年のスカスカおせち事件を思い起こす読者も多いかもしれない。しかしながらそのような事件があったものの、オンラインで年始のお祝い料理である「おせち」を購入するトレンドは強まり続けている。そして、ここ数年オンラインでのおせち商戦は激化の一途を辿っている。単価も高くバリエーションも豊富なおせちは今や楽天市場でも大きな売上を得るイベントのひとつとなってきている。今回はその「おせち」商戦をデータ面から分析していきたい。

この分析は株式会社アドウェイズが提供しているNintのデータを利用しております。下記で展開されているEC販売データを用いた分析が行いたい方は、こちらの無料トライアルをお試しください。
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商品カテゴリ別市場規模

まずはカテゴリ別のデータを見ていこう。
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2015年の楽天におけるおせちカテゴリは、「和風おせち」、「洋風おせち」、「海鮮おせち」、「中華おせち」「その他」の5種類に分類される。売上の4分の3を伝統的な「和風おせち」が占めている。2番手以降は「洋風おせち」「海鮮おせち」「その他」「中華おせち」の順に続いている。様々な種類のおせちがあるが、「和風」が圧倒的に人気だ。

月毎の売上推移を見ていくと、当然のことながら年末年始のことを意識しだす11月以降に商戦が本格化している。しかし一方で9月でもある程度の売上が確保されているという事実が気になる。これは、注文が集中することを避けたり、ある程度事前に受注量を確保したいという思惑もあるのだろうが、店舗によっては9月や10月末までの注文には早期割引を提供していることが関係しているだろう。

楽天の人気おせちトップ20

次に人気商品トップ20を見ていこう。
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商品ランキングを見ていくと、店舗順位が1~4位の店舗商品が大部分を占めていることがわかる。楽天などのモールにおいては、店舗に対するブランディングを行うことがなかなか難しいため、人気商品を多く生み出すことで売上を確保している。
価格は比較的安価の商品が好まれており、平均価格は13,320円。中には1万円を切る商品も含まれているようだ。百貨店などで目にするおせちは非常に高価なことが多いが、オンラインで購入したいと考えている消費者は比較的リーズナブルな価格設定の商品を求めているのではないだろうか。
昨年の売上は1位の商品が断トツで、2位の約2.3倍、平均売上の約5.1倍をたたき出している。また1億円超えは上位3商品となっており、凄まじい売れ行きといえよう。
レビュー数も1位と2位の商品は1万を越えているだけでなく、内容も非常に充実したものとなっている。レビュー件数が1万件を超えている商品は件数の少ないものに比べ、実際に届いたおせちの写真を載せてるものが多く、レビューの文量も多い。レビューの中には「毎年メニューに変更が加えられており、それを楽しみにしている。」という意見もあり、人気商品は多くのリピーターを獲得できていることが伺える。また、昨今のおせち偽装事件が話題に上がっていたからか、「写真と同じ商品が届いたことに安心感を覚える。」という意見も多かった。商品の人気を得るためには、消費者に対して美味しさのみならず、「安心感」を与えることが求められているといえる。

楽天人気ショップの売上推移

次に店舗単位での日別の売上推移を見ていこう。
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上の図は10月から12月末までのおせちカテゴリをメインとする上位10店舗の売上を日別で合計したものである。11月中盤で一部下降トレンドがあるが、全体的には10月から12月末にかけて売上は伸び続けている。売上のピークの最大値は11月30日で最終ピークは12月20日となっている。11月30日に最大のピークが訪れている理由の1つとして、こちらも早期割引の締め切り日が考えられそうだ。また、売上が定期的に上がっているものは多くが土日のようだ。消費者は家族で話すことができる休日におせちをオンラインで選んで注文する傾向があるのではないだろうか。
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トップ10に入る店舗の合計売上高を見ていく。1位から5位までにランクインしている店舗がトップ10ランキング全体に占める割合は約89%であり、どのカテゴリにおいても主要な5店舗として消費者に認められることは非常に重要なことといえよう。特に1位の店舗の売上は10位の店舗の約45.3倍であり、絶対的な売上を誇っているといえる。

楽天市場内の広告施策

最後にそれぞれの店舗が行っている広告施策とその効果について見ていこう。今回は主に楽天内でのメルマガの配信状況と効果についての相関を見ていく。
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これは前述したものと同様、10月から12月末までのおせちカテゴリをメインとする上位10店舗の売上にメルマガの配信本数を重ねたものだ。上位の店舗ほど配信本数は多いことが一目瞭然だ。売上をしっかり作っている店舗はそれなりの手の込んだ施策も行っているということだろう。1位の店舗はこの92日間に驚くべきことに70日間もメルマガを配信していた。

2016年のおせち商戦へ向けて

これから年末に向かい、楽天はクリスマス色に染まっていき、このおせち商戦も盛り上がりを見せていくだろう。昨年の売上推移を見ると12月に入ってからも十分に巻き返しを行えるチャンスはあるといえる。例えばお客様の心に響くメルマガの本数をしっかり増やしていく、などの施策はまだ間に合うかもしれない。しかし、上位の店舗は複数年にわたって消費者からの信頼を得て多くのレビューを獲得しており、その安心感は一朝一夕には醸成することは難しい部分もありそうだ。どのような商品についてもいえることだが、顧客のニーズをしっかり理解して真摯に向き合う。そしてそれを積み重ねる。これが商品を売っていくために必要な唯一のことかもしれない。

この分析に用いたデータについて

この記事は株式会社アドウェイズ(以下アドウェイズ)・ADWAYS TECHNOLOGY LIMITED(以下アドウェイズテクノロジー)が提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値はすべて「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方はこちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等はアドウェイズ・アドウェイズテクノロジーが保有しております。またこの記事の執筆にあたり参考とした各サイトのクリエイティブなどは該当する各団体が権利を保有しております。

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