2015年のECデータから見る楽天市場のクリスマス商戦

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クリスマスプレゼントのECサイト活用

今や年末に向けたビッグイベントの一つとなっている「クリスマス」。各小売業は「クリスマス」の時期に需要の高まる商品のプロモーション活動を11月下旬頃から活発化させる。日本最大級のインターネットショッピングモールである「楽天」も大きな売上を期待できるクリスマス商戦には以前から力を入れている。
今回は楽天のクリスマス商戦のトレンドをデータ面から解析するために、プレゼントとして特に需要が高くなる子供向けのおもちゃ、カップル向けの商品(アクセサリー、財布、バッグ腕尾計など)といったカテゴリに焦点を当てて分析していく。
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商品カテゴリ別の売上ボリューム

クリスマスプレゼントとして贈られることの多い商品カテゴリを「おもちゃ・ホビー・ゲーム」カテゴリ、「バック・小物・ブランド雑貨」カテゴリ、「ジュエリー・アクセサリー」カテゴリ、「腕時計」カテゴリから18サブカテゴリをピックアップしてみた。
2015年12における各カテゴリの売上規模
売上のボリュームを見るとおもちゃ、メンズ腕時計が特に多い。次にテレビゲーム、レディースジュエリー・アクセサリーが続いている。子供向けにはおもちゃとテレビゲームをプレゼントし、女性にはジュエリーやアクセサリーをプレゼントし、男性には腕時計をプレゼントしている、ということが読み取れる。しかし11月との比較を見てみるとメンズ腕時計は130%弱と大きな伸びを見せていないことから、男性向けのプレゼントとして特に人気があるわけでもなさそうだ。一方でボリュームは少ないものの、ペアウォッチ、ペアアクセサリーは250%程度の伸びを見せておりプレゼントニーズが非常に高そうだ。子供向けのプレゼントはいずれもこちらも250%近い伸びを見せている。

カテゴリ別の日次売上推移

次に今回ピックアップしている4つのカテゴリのそれぞれの売上上位5店舗の売上の日次推移を見ていく。

2015年10月~12月における売上げ日次推移
どのカテゴリも12月4日(金)を過ぎたあたりで売上を格段に伸ばしていることがわかる。クリスマスのピークには少し早過ぎるが、これは2015年12月5日(土)から12月10日(木)まで開催された「楽天スーパーセール」が関連している。「楽天スーパーセール」は3カ月に1度開催されるもので、そのタイミングを狙って、消費者はその先に控えるクリスマスプレゼントの準備を行っている部分が大きいだろう。「バック・小物・ブランド雑貨」カテゴリ以外の3カテゴリが同セール期間中に12月の売上ピークを迎えていることからも、スーパーセールの影響力が絶大であることが伺える。なお、同年12月19日(土)から12月24日(木)まで開催された「楽天大感謝祭」も売上に好影響を与えていることがわかる。そして、「バック・小物・ブランド雑貨」カテゴリはこの期間中に12月の売上のピークを迎えている。このことは、クリスマスというイベントよりも、楽天内の大規模キャンペーンの方が売上効果は高く、特にその両方が重なり合うタイミングでの消費者の購買意欲は非常に旺盛になるといえるだろう。

商品別人気ランキング

最後に2015年11月から12月にかけての各カテゴリにおける商品別のランキングを見ていく。
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「おもちゃ・ホビー・ゲーム」カテゴリにおいて特に売れている商品はゲームソフトである。月別で見ていくと11月に特に売れているゲームソフトは、「モンスターハンタークロス」である。驚くべき事実は、この商品が11月28日に発売されたものだということだ。11月終盤に発売されたこの商品が、トップ10のうち4つランクインしていることからも、ゲーム界におけるビッグタイトルの強さが伺える。そして、12月になると「妖怪ウォッチ」シリーズのゲームソフトが新しくランクインしている。子供に人気のある妖怪ウォッチ関連の商品をプレゼント用に、という意味合いが強いだろう。また、月別の平均単価を見ていくと、11月が約6,100円であるのに対し、12月は約11,100円である(極端に単価の高い「純金 小刀」は除く)。その差は約5,000円にものぼるが、これは11月にはランクインしていなかった単価の高い「Wii Uセット」が、平均価格を上げているといってよいだろう。クリスマスプレゼントにはゲームソフトだけではなくゲームの本体も、というケースが多いということも読み取れる。

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「バッグ・小物・ブランド雑貨」カテゴリでは11月には800円、1,000円台など単価の低い商品が4つランクインしており、1位の商品も1,600円と比較的リーズナブルである。しかし、12月になると1,000円台の商品は1つしかランクインしていない。なお、その商品は11月では1位の売上を誇っていた女性用のストールであり、一気に9位に転落している。月別の平均単価を見ても、11月が約10,000円であるのに対し、12月が約16,400となっており、消費者が高価なものを買い求める傾向にあることがわかる(極端に単価の高い「エルメス バーキン」は除く)。普段購入する商品と、プレゼント用に購入する商品では、価格帯に大きな違いがあることがここでも分かる。

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「ジュエリー・アクセサリー」カテゴリの11月の1位と8位にランクインしているファイテンのチタンネックレスは、スケートの羽生結弦選手が愛用しているものであり、それが爆発的な人気を得た最大の要因である。4位のレディースネックレスの単価は780円と非常に安く、トップ10の中で唯一1,000円を切っている。また、6位の約1,100円の商品も同一の店舗の商品で、さらに12月においても唯一、1,000円台の商品をランクインさせている。このようなリーズナブルな商品を大量にさばくスタイルの店舗は普段は非常に強力だが、その勢いもクリスマスシーズンの前にはそこまでパワーを発揮できていない。なお、11月と12月の平均単価はそれぞれ約7,900円、約8,300円となっており、他カテゴリに比べてもその差は小さい傾向にある(極端に単価の高い「婚約指輪」は除く)。
「腕時計」カテゴリの人気商品と売上規模
「腕時計」カテゴリでは極端に単価の高いものが多い。これらの高額商品が多い中で、一際目立つのが「ダニエルウェリントン」の商品だ。他の高額商品と比較しても圧倒的に安いこの商品がランクインした背景には、当時放映されていた月9ドラマの影響がありそうだ。この商品の商品名の中には「石原さとみ」というキーワードが散りばめられており、当時のドラマの主演を演じていた石原さとみさんが着用していたことで、この商品が爆発的な人気を得たようだ。なお、この商品は12月には月間ランキング1位に躍り出ている。クリスマスシーズンとはいえ、その時の旬なキーワードを商品名に積極的に取り入れることで、売上を伸ばすことに成功している好例といえるだろう。

クリスマス商戦を勝ち抜くには

楽天のクリスマス商戦を紐解いてみると、いくつか面白いことがわかった。まず(昨年の)楽天は12月中に2回のビッグイベントを盛り込み、クリスマス特需と合わせることによって2回の売上ピークの発生を促し、年末へ向けた消費者の購買意欲の波に上手に乗る施策を打っている。一方で出店している各店舗も消費者の目に留まるよう、トレンドのキーワードを商品名に入れたり、人気の高まる価格帯を考慮したり、微妙なトレンドの違いに細かく対応している。また、クリスマスギフトは12月24日に届かないと全く意味がない商品となるため、早めの仕掛けも重要であり、また24日が迫ってくると何日までの注文であれば24日に配送が間に合うかなどの表記をしておくことも駆け込み需要を拾うためには重要になってくるだろう。いずれにしても常にアンテナを張り巡らせ、お客様のトレンドやニーズを細かく把握することがクリスマス商戦においても重要なポイントとなってくるだろう。

この分析に用いたデータについて

この記事は株式会社アドウェイズ(以下アドウェイズ)・ADWAYS TECHNOLOGY LIMITED(以下アドウェイズテクノロジー)が提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値はすべて「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方はこちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等はアドウェイズ・アドウェイズテクノロジーが保有しております。またこの記事の執筆にあたり参考とした各サイトのクリエイティブなどは該当する各団体が権利を保有しております。
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