築地市場移転問題と鮮魚ECの未来-前編:楽天市場の水産物市場規模分析

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築地市場は1935年の完成後、大規模な改修がほとんど行われておらず設備の老朽化などの問題から豊洲市場への移転を間近に控えていた。
ところが豊洲市場の施工に不備があったとして開場直前に急遽移転が延期され、TV報道などによると急転直下の方針転換に多くの市場関係者から不安の声があがっていた。
そのような報道を聞いている中で「そもそもECでどのくらいの水産物が取引されているのか?」という疑問が湧いてきた。そんな疑問を解消しようと、前編では楽天市場の「魚介類・シーフード」カテゴリーの動向を分析し、後編では鮮魚ECの開拓者として、先日のテレビ東京系「ガイアの夜明け」に登場した、いなせり株式会社(東京都中央卸売市場築地市場・東京魚市場卸協同組合公式ECサービスを展開中)の萩原氏に築地市場の移転問題と鮮魚ECの未来展望についてインタビューを行った。
今回の分析で用いたデータなど(もちろん他のジャンルも揃えております)はこちらの無料トライアルから閲覧可能です。ぜひご利用下さい。
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楽天市場の魚介類・海産物カテゴリの市場規模

このグラフは2015年9月〜12月の楽天市場における「魚介類・シーフード」カテゴリー販売額の推移を示したものである。正月を意識してだろうか、9月には「魚介類・シーフードカテゴリー」で12%のシェアである「カニ」が年末に向けて徐々にシェアを伸ばし、12月にそのシェアは47.31%とカテゴリーの半分を占めるまでになっている。「数の子」も9月には0.72%のシェアであるが、12月には3.44%まで拡大しておりこちらも正月需要が影響していると考えられる。データの掲載は割愛したが、Yahoo!ショッピングでのカテゴリーのデータも楽天市場とほぼ同じ傾向を示していた。
魚介類・水産物カテゴリの市場規模(楽天市場)
魚介類、海産物カテゴリの人気商品ランキング(楽天市場)
魚介類、海産物カテゴリのデモグラフィックデータ

楽天市場の魚介類、海産物カテゴリの人気商品ランキング

ここでは2015年9月〜12月までの売上規模を合算した商品ランキングを示している。上位10商品中9商品が「カニ」関連の商品となっている。正月用の商材としての需要が高いという点は容易に予想がつくが、商品名を見てみると「贈答用」などと 明記されており、お歳暮などの商材としても利用されているようである。また商材の価格推移も特徴的で、上位ランキング150商品の平均価格が9月時点では5077.5円であるが12月には6705.76円に上昇している。海産物は市場動向にも左右される為、店舗側の施策かは分からないが、年末にむけて商品価格が上昇していることが伺える。予め「カニ」などの海産物を買おうと考えている消費者にとっては参考になるデータかもしれない。
魚介類、海産物カテゴリの人気商品ランキングトップ20(楽天市場)
水産物市場上位150商品の平均価格推移

楽天市場の魚介類、海産物カテゴリの人気ショップランキング

ここでは2015年9月〜12月までの売上規模を合算したショップランキングを示している。特徴的なのは商品ランキングで上位の3商品を販売している店舗がショップランキングのトップ3に顔を出していることである。単品で売上を組み立てていく店舗が多いと言われる楽天市場だが、その特徴がこのカテゴリにもあらわれている。上位3ショップはレビュー数が他の店舗よりも圧倒的に多く(商品によっては10倍以上)、海産物という商品の安定供給(筆者は水産流通の現場を知っているが、冷凍品であっても品質の維持も難しい)が難しい商材にも関わらず地道な活動で、その地位を築いてきていると考えられる
魚介類、海産物カテゴリの人気ショップランキングトップ30

総括

楽天市場の魚介類・海産物カテゴリを分析すると、「カニ」「牡蠣」などの冷凍商材や「明太子」などの高級商材が上位を占めており、ランキング上位で鮮魚を見ることはできなかった。
また、2015年のランキング上位の店舗は2016年でもランキング上位を維持しており品質維持が難しい生鮮食品(冷凍商品であるとはいえ)でのこの結果は注目に値すると感じた。
後編では、東京魚市場卸協同組合の公式ECサービスの展開を開始したいなせり株式会社の萩原氏のインタビューを掲載するが、レガシー感漂う水産仲卸組合がなぜECを推進し始めたのかは大変興味深い。農林水産省が発表するデータを見ると中央卸売市場経由(築地市場経由)の商品は年々減少しており、生き残りをかけて「築地市場も変わらなければならない」というプレッシャーが見え隠れする。
開拓者に訊く、築地市場移転問題と鮮魚ECの未来-後編:築地市場をEC化せよ!は1月16日に公開する予定です。

この分析に用いたデータについて

この記事は株式会社アドウェイズ(以下アドウェイズ)・ADWAYS TECHNOLOGY LIMITED(以下アドウェイズテクノロジー)が提供するECデータ推計サービス 「Nint(ニント)」に基づき作成されています。記事中の数値はすべて「Nint(ニント)」 が独自のビッグデータ技術を用いて算出した推計値となり、紙面の特性上詳細なデータは省略しております。より詳細なデータをご希望の方はこちらからお問い合わせ下さい。なお、上記に展開されているすべての知的財産権等はアドウェイズ・アドウェイズテクノロジーが保有しております。またこの記事の執筆にあたり参考とした各サイトのクリエイティブなどは該当する各団体が権利を保有しております。
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