ネットショッピングの「福袋」市場を分析!2020年はAmazonが大躍進!

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お正月の風物詩である「福袋」。百貨店やスーパー等では、毎年趣向を凝らした多種多様な福袋がお正月ムードを盛り上げていますね。本記事では、日本3大モールである楽天市場、Amazon、Yahoo!ショッピングで販売された「福袋」について分析し、ネットショッピングでの「福袋」の売上が上がる時期や、実際にどんな商品が売れているか、モール毎の違いについてご紹介します。

(注)文中で用いた数値は全てNintが提供するECデータ分析サービス「Nint EC(http://ec.nint.jp)」を利用して、商品名に「福袋」と記載がある商品を抽出して分析した推計データとなります。

  

3モール全体の「福袋」売上推移

3モールの「福袋」売上推移
 このグラフは、2016年1月から2020年1月までの3モール全体での「福袋」の月次売上推移です。実店舗での福袋は通常年始に初売りとして販売されることが多いですが、オンラインのECモールでは、年始よりも年末の12月の方が売上が高いことがわかります。
また各年の12月に注目してみると、2016年から2018年まで売上が減少の傾向にありましたが、2019年12月は前年比175%の急成長を遂げています。
この急成長は何が要因となっていたのか、次の項で各モールごとの売上推移を見ながらこの答えを探っていきたいと思います。

  

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの「福袋」売上推移

楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングの「福袋」売上推移

 このグラフは2016年1月から2020年1月までのモールごとの「福袋」月次売上推移を示しています。福袋に関連する商品は、楽天市場では年間を通してAmazon、Yahoo!ショッピングよりも多く販売されていることがわかります。また、Yahoo!ショッピングの年末年始の売上は、緩やかではあるものの毎年堅調な成長が見られます。そして、一番顕著なのは、Amazonの2019年12月の売上急拡大です。このグラフから、前項で挙げた2019年12月3モール全体の売上急成長の大きな要因となったのは、Amazonの福袋商品の急激な成長であるということが言えます。Amazonの2017年12月と2018年12月は、Yahoo!ショッピングより売上が下回っていましたが、2019年12月を見ると前年比で843%と驚くべき成長を遂げています。
 それでは、急成長したAmazonで人気のあった福袋はどのようなものだったのか、次の項ではその特徴を考察していきます。

  

急成長したAmazonで人気の福袋とは?

 Amazonの福袋販売で売上が最も高かった商品ジャンルは、「服&ファッション小物」となっていました。
 「服&ファッション小物」の中で人気の高かった福袋は、有名ブランドが販売するアイテムとなっており、1位はメンズ、2位と3位は共にレディースのものとなっていました。Amazonのファッション系福袋は、商品画像の1枚目に簡単な福袋の画像(図1)があるのみで、商品ページには福袋内の詳細や画像はほとんど掲載されていません。
福袋
(図1 Amazonでの「福袋 メンズ」検索結果のキャプチャ)

 こうした簡単なページでもAmazonの福袋売上の急成長に繋がったということは、Amazonがファッションブランドの販売促進に力を入れている、また、消費者がブランドに信頼を置いていると言えそうです。

  

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの「福袋」売上上位ジャンル

楽天・Amazon・Yahoo!ショッピングの「福袋」人気ジャンルTOP5

 この表は、モールごとの福袋関連商品で売上の高かったジャンルトップ5を示しています。楽天市場では上位5ジャンルのうち、「レディースファッション」「メンズファッション」「インナー・下着・ナイトウエア」と3つのファッション系ジャンルがランク入りしており、Amazonでは1位が「服&ファッション小物」、Yahoo!ショッピングでも2位が「ファッション」と、共通してファッションジャンルが人気であることがわかります。百貨店でもアパレルショップの福袋は大人気ですが、オンラインでも同じ傾向が見られます。
 食品ジャンルの福袋は楽天市場では4位、Amazonでは2位、Yahoo!ショッピングでは1位となっており、ファッションに次ぐ福袋の人気ジャンルになっています。

  

楽天市場・Amazon・Yahoo!ショッピングの「福袋」特徴

 モール別に特徴を見てみると、上述の通り、楽天市場では福袋で売上の高い5ジャンル中3ジャンルがファッション関連となっており、ファッションジャンルが特に人気であることがわかります。また、楽天市場で福袋の売上が一番高いジャンルは、「インテリア・寝具・収納」で、その中で最も人気の福袋商品は寝具の毛布となっていました。実店舗での福袋販売ではあまり話題になることが少ない「寝具の福袋」ですが、ネットショッピングにおいては季節需要ともマッチして、大変人気が高い商品です。

 Amazonでは、「ホビー」ジャンルが3位にランクインしており、他モールとの違いが興味深い結果となっています。Amazonは男性ユーザーが多いと言われていますが、「ホビー」で最も売れた福袋商品は、サバイバルゲームの商品となっており、男性ユーザーの多さがうかがえる結果となっています。

 Yahoo!ショッピングでは、ジャンル1位の「食品」を見てみると、最も売れた福袋商品はドリップコーヒー、次は北海道グルメとなっていました。また、ジャンル3位の「スマホ、タブレット、パソコン」では、最も売れた商品が中古パソコンとマウス・USBメモリ等のセットとなっていました。Yahoo!ショッピングでは中古品の売上が2桁成長しており、昨年からヤフオク商品もYahoo!ショッピング内で買えるようになりましたが、福袋でも中古商品が人気であることがわかります。

  

年末年始以外に販売される福袋とは?

 冒頭にあるモール全体の売上推移のグラフでは、年末年始以外の時期にも福袋が一定数以上販売されていることがわかります。それでは年末年始以外に販売されている福袋とはどのようなものなのか、一例として、6月ー7月に人気の福袋を見てみたいと思います。

「福袋」人気商品トップ5

まず、夏場の福袋ということで、この時期ならではの商品がいくつか見られます。
楽天市場の「タオル」やAmazonの「ワイシャツ」「アイスクリーム」は、この時期の消耗品・暑気払いとしてニーズが高いのは容易に想像できるため、福袋として夏場に販売されているのも案外納得できる商品です。
意外性の高い商品として注目されるのが、Yahoo!ショッピングの「エアコン工事費込みセット」という福袋です。この商品では、どのメーカーのエアコンか、いつ配送・工事するか、という指定はできませんが、その分お得な価格で商品・サービスが提供されています。「福袋」は、販売側からすると在庫処分的な意味合いも高い販売方法ですが、それが商品に加えてサービスにも展開されているのは興味深い例ではないでしょうか。

  

まとめ

ECモールでの福袋の販売動向から、全体のマーケット規模は19年12月~20年1月に大きく拡大したこと、なかでもAmazonの急成長が顕著であったことがわかりました。他にも福袋の販売ジャンルからモールごとに特徴があることや、夏場ならではの福袋があることなど、オフラインとは異なった傾向があることもわかりました。特に余剰在庫の課題を抱える企業にとっては、自社の販売戦略とユーザーニーズ・市場動向を分析して、年間を通じた「福袋」の販売を企画するのは有効な方法となりそうです。

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