液晶パネルが枯渇!?巣ごもり需要でテレビ販売が好調

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2021年に入り一ヶ月が経ちますね。
例年より冷え込んだ年末年始、テレビを見ながらゆっくりと過ごした人も多いのではないでしょうか。

長期化するコロナ禍で自宅での滞在時間が圧倒的に増える中、エレコム社が2020年10月に行ったアンケート調査(※1)では、おうち時間の中で、テレビを見ながら別の作業をすると答えた人は全体の約8割にも上りました。

そこで、コロナ禍のテレビ需要について掘り下げたところ、コロナ禍で在宅時間が増したことによるテレビの需要、また、テレワークによるディスプレイ・モニターの需要が増加し、液晶パネルの価格が高騰していることがわかりました。
今回は液晶パネルに関連する商品をNintのデータと共に、今後の動向を探っていきます。

【データ抽出方法】
調査方法:Nint ECommerce
対象モール:楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon.com
対象商品:テレビ、ディスプレイ、モニター
データ期間:データにより異なる

【目次】
▼低迷予測を跳ね返し、テレビ需要が増加!
▼売上昨対比2倍以上!ECデータから見るテレビの伸長
▼購入テレビ型に傾向あり!モール別販売数ランキング
▼ディスプレイの需要はコロナ以前より上昇傾向
▼まとめ

低迷予測を跳ね返し、テレビ需要が増加!

近年、テレビの出荷台数は低迷気味でした。
経済産業省のデータによると、地上デジタル放送への移行がされた2011年7月(※2)前後は一時テレビの出荷台数が2,500万台を上回りましたが、2012年以降は500万台で推移し、2017年には400万台まで落ち込んでいます。


(出典:経済産業省)

コロナ以前は、2020年は東京オリンピックに期待し需要が戻ってくる予測がされていましたが、オリンピックが延期となったことで、テレビ販売はマイナス打撃も予想されていました。

しかし、近年の販売台数低迷、伸び悩み予測に反して、コロナ禍の巣ごもり需要により、2020年7月は4Kテレビの販売台数が前年同月比29.5%増という好結果でした。(※3)

日本だけでなく、世界的に見てもテレビの売れ行きは好調でした。
日本経済新聞の2020年12月記事によると、世界の7~9月期のテレビの販売台数は前年同期比15%多い6,287万台となりました。

また、テレビだけでなく、在宅ワーク・学習の推進により、パソコンや液晶ディスプレイの需要が拡大し、現在は世界的に液晶パネルの現在価格が高騰しているようです。(※4)

(出典:日本経済新聞)

売上昨対比2倍以上!ECデータから見るテレビの伸長

まずはネットショッピングにおけるテレビの販売動向を探っていきましょう。
Nintのデータを見ていきます。


データ抽出期間:2018年12月~2020年12月
ジャンル:テレビ

図1は2018年12月から2年間の、テレビジャンルの売上合計推移です。
昨対比を見ると、2019年12月から2020年7月にかけて150%以上と高い割合を推移しており、緊急事態宣言下の5,6月は昨対比2倍以上の売上となっています。

コロナ禍では、地上デジタル放送の視聴も増える一方、動画利用サービスの利用状況が好調です。
日本リサーチセンターが2020年12月に行ったアンケート調査によると、昨年と比較して動画配信サービスに費やす時間が増えた割合は34%と、地上デジタル放送を増やした割合(23%)を10%以上も上回る結果が出ています。(※5)

加えて動画視聴の際のデバイスではスマートフォンが未だ圧倒的な割合を占めるものの、長時間利用にはインターネットを介した月額の動画サービス等が利用できるコネクテッドテレビが多く選ばれる傾向にある(※6)という調査結果も出ています。
コロナ禍で動画利用サービスを開始した層が視聴を継続するにあたり、スマートフォンよりも大画面で観れることから、テレビの購入を検討する可能性があるかもしれません。

購入テレビ型に傾向あり!モール別販売数ランキング

大手ECモール全体での売上推移を見ると2020年は売上好調だったことが分かりました。
では、各モールでの販売傾向はどうだったのでしょうか。
図1と同期間(2018年12月~2020年12月)の販売数ランキングTOP10を見比べてみましょう。
尚、TOP10の商品はそれぞれ規格を表記しています。

Yahoo!ショッピングのテレビ売上TOP10では、40型以上の大型テレビが10商品中6商品と3モールの中で最も売れている結果となりました。
価格帯も楽天やAmazonで購入されている単価よりも高めの商品が売れています。

一方、楽天市場、Amazon.comでは40型以下の中小型テレビが売上ランキング上位を占めており、価格帯もYahooより少し下がります。
一人暮らしで少し大きめの部屋に住んでいるユーザーやファミリー層で価格は安く手に入れたいけど、リビング以外の寝室や子ども部屋に欲しいユーザーが購入しているような仮説が立てられます。

また、各モールのポイント販促施策が大きく影響していることも考えられます。
例えば、ポイント還元率の高いモールでは、ポイントを貯めておいたユーザーが、ポイントを使って、ちょっと高い商品を購入する等のことも考えられます。

テレビ離れが叫ばれ、民放番組でも15%で番組ヒットと言われる中で、テレビは必要ないと感じているユーザーにも、動画利用サービスがスムーズに視聴できる多機能性を訴求することで購入検討の材料となるのではないでしょうか。

ディスプレイの需要はコロナ以前より上昇傾向

冒頭でテレビだけでなく、パソコンや液晶ディスプレイの需要も上がったことをお伝えしましたが、JEITAのデータを見てみると、液晶ディスプレイの出荷数量は過去5年上昇傾向にあります。
前述のテレビと比較してコロナ禍以前より出荷台数が上昇している点から、近年の働き方改革により在宅ワーク需要が徐々に上がっているのかもしれません。


(出典:JEITA > ディスプレイ出荷統計/液晶モニタ(バンドルを含む))
データ抽出期間:2015年 第3四半期(7 – 9月)~2020年 第2四半期(4 – 6月)

次に、EC市場での動きも見ていきましょう。


データ抽出期間:2018年12月~2020年12月
ジャンル:ディスプレイ、モニター(バンドルを含む)

売上の上昇傾向は出荷台数と同じものの、EC市場では1度目の緊急事態宣言が出された2020年4月の売上昨対比が285%以上と最も大きく、コロナ禍による動向の変化が顕著に見られました。

突然在宅ワークが始まる会社も多かった時期のため、緊急性の高い需要による売上増加が考えられます。

今年もコロナ禍により、先行きが見えない中、テレワークによるディスプレイやモニターなどの需要が増加傾向になっていきそうです。

まとめ

テレビは今後、地上デジタル放送だけでなく動画利用サービスの視聴需要が更に高まる可能性がある一方、コロナ禍以前より出荷台数上昇傾向にあったディスプレイは、働き方改革で打ち出された多様な働き方がコロナ禍によって更に推進され、テレワークが当たり前の時代が到来するかもしれません。
 

《用語》
コネクテッドテレビ
「Amazon Fire TV Stick」やGoogle「Chromecast」などのメディアストリーミング端末、テレビに組み込まれたOS、Blu-ray再生機器、ゲーム機、セットトップボックスなどを介してインターネット接続が可能なテレビデバイスのこと。

※引用元:ITmediaマーケティング
コネクテッドTV視聴や広告に対する消費者の態度変容傾向――Unruly Media調べ

 

《参照記事》
※1 出典:※1 出典:エレコム株式会社(『PR TIMES』掲載記事より)
【調査】コロナ禍で「おうち時間」が増えた人は7割以上!増加した「テレビ視聴」と「家事」の時間をエレコムのTVスピーカーでさらに快適に

※2 出典:総務省
地上デジタルテレビ放送のご案内

※3 出典:MONO TRENDY デジタル・フラッシュ
五輪延期を跳ね返す 4K8Kテレビ販売、事前予測を突破

※4 出典:日本経済新聞
液晶パネル価格、異例の高騰 巣ごもり需要で品薄に

※5 出典:The Trade Desk, Inc.(『PR TIMES』掲載記事より)
動画配信サービス利用実態調査、昨年と比較して34%の人が地上デジタル放送よりも動画配信サービスの視聴が増加

※6 出典:Copyright ©AJA All Rights Reserved.(『PR TIMES』掲載記事より)
おうち時間の広がりで動画配信サービスの利用増加と視聴デバイスの多様化が加速、全国2万人にアンケート調査を実施

 

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